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かしこい発注法
ここでは、効率的な打ち抜きのための発注方法やロスを最小限に押さえてコスト削減をするためのノウハウを提供いたします。
発注指南その1
得する購入方法私の拙い経験から昨今の厳しい市場に対応するべく少しでもコストを下げる方法を述べてみました。少しでもお役に立てば幸いです。
■見積もりが高くなる発注事例
●基本的には穴開けは
・プレス
・切削
・レザー及ぴプラズマ
・電子ビーム
の四種類になるかと思います各々短所、ならびに長所を正確に把握し時には併用して加工する事がコストダウンにつながろうかと考えています。
板が極端に小さく枚数が一枚の場合
枚数が多い場合は多数個取りで打抜きます。
板の厚みが少ない場合はかつ開孔率の低い場合はNCTで単発のパンチで加工致します。
上のどちらでもない枚数が1枚の場合で、板厚が厚い3mm以上の場合は専用機で加工致しますので非常に段取りに時間がかかり極端な場合、 ご提供価格の9割が段取り費用になります。
対策として、市中に在庫品として出回っているものを切断して使用するのも一つの方法ですがその場合、 縁取りはつけることは出来ません。
板が極端に大きく枚数が一枚の場合
例:2100×6500(mm) 上記の板は加工可能ですが、下記の問題があります。溶接コストを下げる為分割せず1枚物でとのご要望がありますが、枚数が1牧の場合、溶接費用よりも運送費用が高くつく場合があります。
一枚でもチャーター便にて4t車もしくは10t車が必要です。混載で運送できるサイズに、分割されたほうがトータルのコストが下がる場合もあります。
■パンチングの反り
ステンレスのパンチング"メタルは、パンチング加工後は、中に大きな残留応力を持っていますその度合いは鉄よりかなり大きく、開孔率が高ければ高いほど大きくなります。
また矯正後のパンチングは平坦ですが、シャーリング切断をすると特に押さえ込まれていた応力が開放されて板のそりが発生します。
反りの程度 反りの小さいもの 反りの大きいもの 素材 鉄 ステンレス 開孔率 開孔率少 開孔率大 板厚 板厚少 板厚大 縁取 縁取少 縁取大
■弊 害
後加工が出来ない
板がスルメのようにそり上がり加工機械に入らない機械に取り付けると隙間が出来ます。
■対 策
切断後のローラーによる矯正
レーザーによる切断
熱処理
■伸びによる寸法の変化
パンチングはプレス製品です。加工前と加工後の寸法は違います。
何回も板をパンチで叩くのでパンチング"メタルが伸びて寸法が大きくなっています。
伸びは同じメーカの同一材質でも作業時の天候金型の状態によって変化します。
円筒曲げ等外周に対する寸法精度を要求されるお仕事の場合で、パンチングを使用される時は後で切断(レーザープラズマ、シャーリシグ)、された方が、より良い製品になります。
■備考
熱処理は費用がかなり掛かりますが、歪み取りには有効な方法です。
発注指南その2
ドリルとパンチングの比較同じ、穴をあけるという加工方法でもドリル加工とパンチング加工は、それぞれ違うメリットがあります。それぞれの特徴を理解して使い分けるといいでしょう。
ドリルとパンチングの特性比較表
ドリル加工 パンチング加工 コスト 高い 安い 穴形状 ストレート テーパー 開口率 大きく出きる 板の厚みが厚いと少なくなる スクリーンの目詰まり しやすい テーパー穴なのでストレート穴に比較してしにくい 孔のピッチ ストレートの穴開が可能なのでピッチをかなり狭く出きる プレス加工なので通常穴の端と端の間は板厚み分確保する必要がある 大きな穴開け例 100Φ 時間が掛かる 1秒以下(ただしワークの移動時間は含まず) 加工後の平坦度 良好 開口率が高いと歪が矯正できない場合も有る 加工後の強度 ストレート穴なのでパンチングに比べて強度はある テーパー穴なのでドリルに比べて強度は落ちる 納期 加工時間がプレスと比べて長く掛かる 1度に複数の穴をあけることが出きるのと1穴当りの加工時間が短いのでで納期はドリルより早い 板厚以下の穴径 特に問題はない 板の厚み以下の穴を加工する場合材質及びピッチにより加工が不可能な場合もある 異形 長穴 角穴 六角 あまり得意ではない形状によっては不可能 得意 穴の数が少なく板が大きい
2000mm×6000mmの板に穴6個、且つ枚数が少ない得意 不得意 穴の位置の精度 有り プレス加工の為板が伸びる為精度が出せないときが有る